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「サダコ」の報道

◎核のない世界を希う「サダコ」
(2000年 「読書人」より抜粋)

手元に同名の本が二冊ある。いずれもこの夏に刊行されたもの。一つはNHK広島「核・平和」プロジェクト著「サダコ−『原爆の子の像』の物語」(四六判・269頁・1800円・荷本放送協会)で、もう一つは、カール・ブルックナー著・片岡啓治訳「サダコ」(四六判・287頁・1500円・よも出版発行・千早書房発売)である。
「サダコ」の名前は、日本でよりも、海外でよく知られているという事実があるようだ。そんな経緯を綴ったノンフィクションが前者の「サダコ」である。(中略)昨年八月六日に放送されたものを基本に出版化されたものである。
後者の「サダコ」は、ブルックナーの作品の翻訳の再刊となるもの。この物語は1945年7月から原爆投下までの約一か月のサダコ一家の貧しいながらも平穏な生活と、(中略)サダコの死までを綴る。
以上だが、サダコの被爆から十年後の発病、千羽鶴を折りながら白血病で亡くなるということ以外はすべてフィクションである。しかし、登場する人物、凧作りの名人の渋田や、同日の患者・シゲモトという少年など架空の人物だが、それぞれ魅力を持って描かれている。サダコの年齢も二歳上に設定されている。
この二冊の「サダコ」は、核のない世界を目指すために人間の叡智がどう生かされなければならないかを思わせる好著である。この二冊はお互いに交響しあい、併読をおすすめする。



◎ 生きることの意味問いかけ
(2001年8月6日「毎日中学生新聞」より抜粋)

ブルックナーが「サダコ(原題Sadako will leben)を執筆したのは、「廃墟の光?甦るヒロシマ(ロベルト・ユンク著、1961年文藝春秋新社刊)」というルポルタージュとの出合いからだった。この著書は、「原爆の子の像」建立への運動を記したものだ。ブルックナーは、日本を訪れたことがないにもかかわらず、資料と自身の想像力をたよりに、記念碑のモデルとなった少女、佐々木禎子さんに焦点をあて、物語を創作した。彼の執筆の動機を、翻訳者の片岡啓治さんは「10年もしてから影響が突然現れる原爆は、ヨーロッパ人の著者にとって、未体験の恐ろしさだったのでしょう」と推測する。
「サダコ」には記念碑をめぐる運動は記されていない。「サダコ」も「悲劇のヒロイン」や「勇気の象徴」としては描かれていない。彼女に対するブルックナーの視線は、他の多くの登場人物と同じように冷静だ。
また、ブルックナーは、作品中の主人公サダコの年齢を実際の禎子さんより少し上にするなど、設定を変えている。(復刊に携わった)守屋さんは「登場人物を通して、生きることの意味や、戦争、原爆への考えを問いかけたかったのではないか」と分析している。
一度は時代の状況に埋もれたが、新しい生命を与えられた「サダコ」。復刊の意味を考えながら読めば、多くの人の思いを乗せたこの本は、いろいろなメッセージを届けてくれるだろう。 【高橋美菜子記者】


30余年、演劇やテレビの仕事に携わってきた私を、何度も刺激してくれる??柳瀬亜湖さん(56歳、東京都新宿区)(2000年「いきいき」より)

核のない世界を目指す一人として、小説「サダコ」を紹介したい。(中略)お話は、1945年7月から、アメリカ軍の原爆作戦決定、テニアン島での準備、エノラ・ゲイ号からの8月6日に原爆を広島に投下、サダコの死までとなっている。
4トン以上の核爆弾を黒い箱に収め、飛行機の腹に吊るしてきたと聞くが、4トントラックがつるされているのを想像してしまう。戦争という大義で、核実験をした米国を許せない。
この本を読んだら、「私はサダコを知っている」と胸を張ってほしい。



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